2014/01/14

食品偽装問題で気になったこと

世の中には、本物の食品と偽装された食品の区別がつく人もいれば、付かない人もいる。そして、区別がつかなかった人達の一部は、「あんな店に二度と行かない!」と不満を訴える。

去年、そんなニュースが話題になった。

食品偽造をしたものは罰せられるべきだし、区別が付かなかった人については、その人の経験や知識などが関係してくることだから、仕方のない事だと思う。

でも、ふと、あれ?なんでだろう?と感じたことがある。それは、「なぜ彼らは自分が区別できないものに対して、価値を感じているのか?」 ということ。言い換えると、何が(誰が)そうさせたのか?

例えば、僕が九条葱ならぬ『YY-BLOG葱』を作って、誰かに、「味はよく分からないけれど、この葱なら値段が高くても納得できる。」と思わせることができるのか?どうしたら、そう思わせることができるのだろうか?

これらを考えるにあたって、まず、人の判断の仕方について考えてみる。


■人の判断の仕方は2通り
人が何かを判断する場合は、「周辺ルート」と「中心ルート」という2つの方法がある。

・周辺ルート
何かを買うときに、テレビCMで見たことがあるとか、学者が推奨していたといった理由で判断をする簡略的な方法。思考の労力は節約できるメリットがある反面、誰かにコントロールされやすくなるといったデメリットがある。

・中心ルート
何かを買うときに、その製品の内容を理解し、詳細に検討してから判断する方法。専門知識や理解するための労力が必要になるが、真に自分の目的に合ったものを選べる可能性が高い。

どちらの方法を選ぶかは、判断する対象によっても違ってくるが、一番影響を与えるものは、その人の情報処理能力の高さ(=情報リテラシー)であろう。


■葱を美味しいと思わせるには
中心ルートで判断する人にYY-BLOG葱を選んでもらうためには、しっかりと美味しい葱を作るしかないだろう。自分の頭で判断する人にはそれしか通用しない。

一方で、周辺ルートで判断する人であれば、メッセージの伝え方次第で、(たとえ美味しくなくても)YY-BLOG葱って高級で美味しい!と思わせることができるかもしれない。

参考になるのはテレビの広告。やはり、餅は餅屋だから。広告を見ていると、メッセージの伝え方について幾つかのパターンがあることに気付く。多分これが効果的なやり方なのであろう。

・権威
権威を持った人に情報発信をしてもらう。「日本XXX学会代表推薦」とか、「東大生も飲んでるサプリ」、「石川遼も使っている英会話教材」など。

・みんなが使っている
皆が使っていることをアピールする。「おかげさまでXXXランキング一位に輝きました。」とか、「YYYセレクション 金賞」、「ZZZ売上No.1」など。

・既成事実化
物事を、あたかも既成事実のように発信する。例えば、「YY-BLOG葱は美味しい。」よりも「YY-BLOG葱の美味しさの理由はなにか?」と発信したほうが記憶に染み込む。「剛力ダンスの人気の理由は?」とか、「細川VS舛添どっちが勝つ?(あたかも他の候補者が当選しないような言い方)」とか。

・恐怖
恐怖心を利用する。「電磁波エプロンで、電子レンジの放射線を防がないと危険。」とか。原子物理学を勉強しなかった人ならば、例え半信半疑であってもエプロンを購入してしまうかもしれない。霊感商法もこの類。

・ストーリー
納得感のあるストーリーを作って発信する。「埼玉の熊谷は日本一最高気温が高いんです。実は、YY-BLOG葱はそこで作られました。たから美味しいんです。だって、日本一最高気温が高いから、日本一甘くなるんです。」的な。。